最近、新型コロナウィルス (COVID-19) のことばかり考えてしまうので、
調べたことをまとめておきます。
- ウィルスの活性(感染力)は温度依存的
- 新型コロナウィルスの温度による活性変化は?
- 新型コロナウィルス流行はいつまで?
- 新型コロナウィルスとSARSウィルスとの違いは?
- 新型コロナウィルスと類似性の高いコロナウィルスの感染実験論文
ウィルスの活性(感染力)は温度依存的
いったいいつまでこの新型ウィルスは拡大を続けるのでしょうか?
インフルエンザは通常、冬に流行し、暖かくなってくると流行しません。
これは、ウィルスの温度による活性(感染力を持つかどうか)の変化が要因です。
インフルエンザウィルスの場合、温度20度以上湿度50%で6時間あればほぼ失活します。
SARSウィルスの場合、室温(25度付近)で2日以上活性が維持されます。
4度では4日以上。30度以上で1時間という具合です。
新型コロナウィルスの温度による活性変化は?
これについて報告はありませんが(調べた限り)、新型コロナウィルスはタンパク質の配列(アミノ酸配列)レベルでSARSウィルスとかなり似ています。
従って、温度による活性変化もインフルエンザウィルスよりはSARSに近いものと予想できます。
新型コロナウィルス流行はいつまで?
上記のことから予想すると、SARSと近い活性をもつので、25度でも2日程度は活性を維持すると思われます。従って、東京では気温が30度まで上がる6月後半までは拡大が続く可能性があります。インフルエンザと同じ様に考えていると痛い目みます。それまでに何人が感染してどのくらいの人が重症化するのか。そのとき病院は機能不全に陥らないか。国の対応力が問われます。
新型コロナウィルスとSARSウィルスとの違いは?
アミノ酸配列を比較すると、感染時に必要なタンパク質(Sタンパク)の一部の配列がSARSと相同性が低いことが解ります。従って、感染する細胞の種類や特性がSARSとは異なるでしょう。どの細胞にどれくらい潜伏するか分からないので注意が必要です。
ちなみに、新型コロナウィルスの配列はこちらに出ています↓
COVID19という名前がつけられましたが、SARS-CoV-2とも呼ばれています。
Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 2019-nCoV/Japan/TY/WK- - Nucleotide - NCBI
ここに載っている配列を相同性検索にかけると色々なことがわかります。
相同性検索はこちらのサイトでできます↓
BLAST: Basic Local Alignment Search Tool
新型コロナウィルスと類似性の高いコロナウィルスの感染実験論文
新型コロナウィルスは、RNA配列レベルで、SARSウィルスと82%の相同性があります。
一番相同性が高いのは、89%の相同性をもつコウモリ由来のコロナウィルスですが、
これはこちらの論文ででているZXC21とZC45になります↓
Genomic characterization and infectivity of a novel SARS-like coronavirus in Chinese bats
どうやらコウモリを中国の舟山市でつかまえてきてウィルスを単離し、
実験している論文のようです。
恐ろしいことに、ラットに感染させて効果をみています。
このウィルスを感染させたラットは、
・ 脳に炎症がみられる(神経が死ぬ)
・ 眠気、緩動作、気鬱
・ 肺胞が融合する
・ マイルドな肺気腫
・ 腸粘膜の異常
などの症状がある。
と書いてあってぎょっとしたのですが、
どうやらウィルスを直接、脳に注入しているようです。
通常我々は血液脳関門という脳にウィルスなどが入らないような仕組みがあるので、脳に感染することはまれだと思いますが、インフルエンザ脳症でみられるようにしばしば血液脳関門をウィルスが通過してしまうこともあるので注意が必要かと思います。
ちなみに、この論文は、中国人民解放軍第三軍医大学から発表されています。